昔、うちで働いてた女の子から、電話があって、



女の子

「 お久しぶりです。

一応、報告があって・・・

去年、宅建うけたら、うかりました!」






「そうなん!

すごいやん!!

おめでとう!!

あれ!?

行政書士試験うけるって言ってなかった???」



女の子

「その予定だったんだけど、

難しすぎて、

宅建に切り替えて頑張ったら、うかりました!」







「そうなんや~、すごいやん!おめでとう!!

でも、資格だけあっても、飯食えへんから、

これから、もうひと頑張りやで。

弁護士でも、税理士でも、

資格は持ってても、飯食われへん奴いっぱいおんねんから。

で、

不動産の仕事するん?」



女の子


「いや、しないと思います」



しないんや・・・・


なんで、とったん?・・・





力試しで受けて、

難しい資格を合格して良かったね!と祝福する反面、

それまでの経緯を振り返って複雑な気持ちになった。





もともと、看護学校卒業して、

看護士で働いてた彼女は、

何かのきっかけで、風俗の世界へ飛び込んだ。

縁あって、

うちの店で働いたあと、

何も言わずやめて、

福原のソープへ飛び込んだ。

うちで在籍してた時ですら、

接客に難あり

と思ってたので、

ソープに行けば、もっと苦労するのは、目に見えてた。


事細かく、イロハのイから、指導されるに違いないから、

その口うるさい環境に耐えられるのか、心配だった。

福原に、今、います!

という報告のあと、



数か月後、たまたま会う機会があって、



神戸の異人館の近くのカフェで、お茶してたら、

そのソープのお店で

やっと、

ランキング2位になったけど、

それまでだいぶ、苦労した

との話を聞いた。


アルティマは、自由なくらい自由なお店だったけど、

ソープになったら、出勤とかノルマとか厳しくて・・・

だいぶ痩せたよ・・・


確かに、見た目が引き締まった気がする。


最初、夜出勤だったのに、

リピート客がいないので、

早朝出勤に回されたらしい。



アルティマのお客さんは、みんな優しい人ばかりで、

そこですら、結果が出なかったのに、

玄人好み、プレイ重視の業種であるソープで

好かれるには、

根本的に接客を変えないと厳しいはず・・・


やっぱり、早朝に回されたか・・・


ソープにも

出勤時間で、格差が存在する。

売れっ子や新人は、夜出勤できるが、

売れない子は、もっと苦労せい!という意味を込めてか、

朝で、お客さん少ないから、ゆっくり勉強せいという意味を込めてか

売れないけど、朝手薄やから、しゃーなし雇っておこか

どういう理由かは、分からないが、

朝に回される。

もしくは、出勤が減らされる。

とにかく、格下げであることは、間違いない。


本人もそれが分かったのだろう・・・


必死で頑張って

ランキングに食い込んだようだ。


なかなか1位の女の子が抜かされへんねん。

どんだけ、頑張っても、あかんねん。


とても悩んでるようだった。


そのソープの店長に、仕事終わってから、毎日怒られたり、

毎日、話を聞いてもらったり、

だいぶ、お世話になったらしい。

そうとう

我慢強い店長だったに違いない。

私は、そこまで、我慢強く面倒みれなかったので、

教育力の差というか、

我慢強さは、その店長に負けた気がする。





話を聞きながら、昔のことを思い出した。

ある時、

彼氏に300万貸して、返ってこず、

連絡とれないと泣き出したので、

数少ない情報を頼りに、

名古屋の彼氏の実家を探し当てたことを思い出した。


結構、出来る限りのことは、してあげたつもりだが、

そんなに、稼いでくれなかったなぁ・・・なんて思ってた。


一番、嫌だったのが、

行政書士試験受けるにあたって

勉強の仕方が分からないというので、

行政書士試験に一発で合格した友達を紹介したのだが、

1回教えにもらいにいっただけで、

その後、一切連絡してない

という件だった。



「右も左もわからないらしいから、

なにぶん、宜しく頼みます!」

と、友達に頭を下げたのに・・・


紹介した私にも、何の連絡もないので、

悲しくなった。


今は、どこかの風俗店のオーナーになってるとの報告があったが、

こんな不義理を繰り返しては、

大事な時に

誰も助けてくれないだろう。


お金、お金というのも大事かもしれないが、

人は大事にしないといけない。


彼女も風俗店のオーナーで、

人を使う立場になって、

いつか分かる時が来るだろう・・・