夜中2時に
電話がかかってきた。


「今日腹立つことあった…辞めたい」


朝五時に
電話がかかってくる。


「私、一番になりたいの。どうしたらいい?」


寝ぼけたまま電話をとると
唐突に開口一番
直情的に訴えかけてくる彼女は、残念ながら、
うちの店の女の子では無い。


ホントは、自分の店で1から育てたかったのだが、

ライバルに対し敵対心むき出しの感情のままに戦う癖があって、めちゃめちゃ負けず嫌いの性格で、目に見えるものを信じて、物事をスパっと割り切る、そんな側面から考えて、
似た女の子がたくさんいて
ランキングがある店の方が合うかな…と思った。


うちが、ランキングを
作らないのは、


他人との比較なんか
店側のエゴや競争心煽りでしかなく、


この仕事は、自分との闘いだと
考えているからだ。


休みたい時に休めて
手を抜こうと思えば、
手を抜ける。


でも、稼ぎたいなら、
努力すべきだ。


いくら努力しても
勝てないものもある。


例えば、

身長。


日本いや世界の医療技術でも
今はどうにもならない。


その他の面でも
スタートラインが違う以上、
同じ土俵で争うこと自体、
無意味では無いだろうか…


一人一人違うことを
理解した上で、

自分の魅力を最大限引き出す
それが出来るかどうかで
伸びるか決まる気がする。


いつも自分に負けちゃう
それに慣れてしまう
ザ風俗嬢の典型だと思う。


彼女と出逢ったのは、
今年1月ぐらいだったろうか…

家庭内問題で悩んでたり、
自分の将来を憂いでいたり
死にたい!と叫んでみたり
やっぱり家族のために
生きる!と言ってみたり


会うたびに何を言い出すか
ヒヤヒヤしながら、
とにかく温かく見守ってやるしか
出来なかった。


彼女の挑戦は、まだまだこれからだが、
応援してあげたいと思う。


前向きであり続けよう
とするひたむきな姿に
素直に感動するし、


嘘が一切なくて
感情豊かなまま
体当たりでぶつかって来る女の子が、

俺は、人間くさくて
好きだ。


ワガママでもいい。
我慢しなくていい。
好きなようにやりなよ。


俺が全部受け止めるから。


自分と向き合い、
もっと自分を好きになれるように
自分のこと
もっと知ろうよ!


そぅ思った。